ダニング・クルーガー効果(説明済み)
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ある技術、例えばプログラミングを学ぼうと決心し、それに関する最高の本を買う。 その本を読み終え、いくつかの練習問題をこなすと、プログラミングをマスターした気になる。
あなたのプログラミング能力がレベル0からレベル3に達したとしよう。 プロになった気分で、履歴書の「上級スキル」の項目に「プログラミング」を追加する。 世界最高のプログラマーの仲間入りをすることさえできる。
現実には、あなたはダニング・クルーガー効果の犠牲になっただけなのだ。 この効果は、研究者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーにちなんで名づけられたもので、次のように述べている:
能力の低い人ほど自分の能力を過大評価し、逆に能力の高い人ほど自分の能力を過小評価する傾向がある。
研究者たちは、論理学や文法など一連の基準でテストを行い、実際のテスト結果と各生徒が自分で推測した成績を比較した。
関連項目: ボディランゲージから読み取れる7つの魅力実際の成績が最も低かった生徒は、自分の成績を著しく過大評価していたのに対し、成績上位者は自分の成績をわずかに過小評価していた。
関連項目: 怠惰とは何か、なぜ人は怠惰なのか。興味深いことに、この研究の着想は、レモン汁で物が見えなくなるから捕まらないだろうと考えてレモン汁を顔に塗った愚かな銀行強盗にあった。 彼は、レモン汁が "透明インク "として使われるなら、自分も透明人間になれるかもしれないと考えたのだ。
上記の研究を行った研究者によれば、能力の低い人たちは、自分が能力が低いことを自覚していないのだという。
言い換えれば、自分の能力が十分でないと知るためには、自分の現在の技術レベルが到達可能なレベルをはるかに下回っていることを知らなければならない。 しかし、自分が実際に到達できるレベルを知らない以上、それを知ることはできない。 だから、自分の現在のレベルが到達可能な最高レベルだと思い込んでしまうのだ。
レベル3に到達したあなたはプログラミングのプロになったつもりだが、どこかにレベル10に到達したプログラマーがいて、あなたのプライドを笑い飛ばしている。
もちろん、あなたはレベル3での自分の無能さを知らなかった。なぜなら、それ以上のレベルが存在することを知らなかったからであり、したがって、現在のレベルが最高レベルだと思い込んでいたのだ。
例えば、書店で新しいプログラミングの本に出会ったとする。
この時点で、「もっと知るべきことがあるはずだ」と思いとどまるか、すぐにこの本に飛びつき、プログラミング分野のスキル・レベルを上げるか、2つの選択肢がある。
ダニング・クルーガー効果-エゴのゲーム
この最後のポイントこそが、天才とアマチュア、賢者と愚者、知者と愚者を分けるものなのだ。
新しい情報に直面すると、能力の低い者はそこから学ぼうとせず、能力の低いままでいる傾向がある。 能力の高い者は、学びに終わりはないことを理解しているため、常に学び、能力レベルを上げている。
ある状況下で新しい情報に遭遇する前にすでに能力があったということは、今ほど能力がなかった最初から学ぶ姿勢を持っていたことの証明である。
なぜ能力の低い者は、新しい情報から学び、より能力を高めることができないのか?
そうするためには、自分がプロだという考えを捨てなければならないし、それはエゴを傷つけることになる。 自分が無知だという現実に直面するよりも、自分が最高だと自分を騙し続ける方がずっと簡単なのだ。
実際、ダニング・クルーガー効果は、錯覚的優越性バイアス(他人と比較して自分の良い点を過大評価し、同時に自分の悪い点を過小評価する傾向)の特殊なケースである。
学ぶことは大変なことであり、多くの人は自分の能力レベルを上げるために必要な努力をしたくない。 そうすることで、大変な仕事を避けるだけでなく、自分が高い能力を持っていると錯覚し、自尊心を高め続けることができる。
参考文献
- 未熟で自覚がない:自分の無能さを認識することの難しさが、いかにして自己評価を膨らませることにつながるか。 パーソナリティと社会心理学ジャーナル , 77 (6), 1121.
- Ehrlinger, J., Johnson, K., Banner, M., Dunning, D., & Kruger, J. (2008). Why the unskilled are unaware: Further explorations of (absent) self-insight among the incompetent. 組織行動と人間の意思決定プロセス , 105 (1), 98-121.